採寸方法を正しく知っているかどうかで、型紙選びの成功率は大きく変わります。洋裁では、既製服のサイズ表記ではなく、体そのものの寸法(ヌード寸法)をもとに型紙を選びます。ところが自己流で測ると、メジャーが斜めになったり、締めすぎたりして、数センチの誤差が出ることも珍しくありません。
この記事では、洋裁に必要な採寸を部位ごとに解説し、JISの号数サイズ表の見方、さらに海外の型紙で使われるEU・USサイズとのおおよその対応までまとめます。
採寸の前に準備するもの
採寸には、伸びにくいビニール製や布製のメジャーを使います。古いメジャーは伸びていることがあるので、金属の定規と目盛りを比べておくと安心です。服は薄手の下着か、体に沿うTシャツとレギンスなど、寸法に影響しないものを着用します。
ウエストの位置を決めるために、細いゴム紐やリボンを用意しておくと便利です。可能であれば家族や友人に手伝ってもらいましょう。一人で測ると、背中側でメジャーが下がりやすくなります。
- 伸びないメジャー
- 細いゴム紐またはリボン
- 全身が映る鏡
- 記録用のメモ
洋裁の採寸:部位ごとの正しい測り方
洋裁の採寸では、メジャーを床と水平に当て、指が1本入る程度の余裕で測るのが基本です。息を止めたりお腹をへこませたりせず、自然な姿勢で立ってください。
- 1.バスト:バストの最も高い位置を通り、背中側も水平になるように一周
- 2.ウエスト:胴の最も細い位置。ゴム紐を巻いて体を左右に傾けると、自然に落ち着く位置がウエスト
- 3.ヒップ:お尻の最も張っている位置を水平に一周。横から鏡で確認する
- 4.背丈:首の付け根の骨(第七頸椎)からウエストのゴム紐まで
- 5.肩幅:左右の肩先の骨の間を、背中側で首の付け根を通って測る
- 6.袖丈:肩先からひじを通り、手首の骨まで。腕を軽く曲げて測る
- 7.身長:靴を脱ぎ、かかとを壁につけて測る
プロのコツ
採寸は同じ部位を2回測り、差が1cm以上あれば3回目を測ってください。朝と夜では体の状態が変わるので、気になる方は同じ時間帯にそろえましょう。
号数サイズとは?JISのサイズ表の見方
日本の婦人服で使われる号数サイズは、JIS(日本産業規格)にもとづいています。表記は「9AR」のように、号数、体型、身長の3つの要素で構成されます。号数は主にバストの大きさを、体型記号はバストに対するヒップの大きさを、身長記号は身長の範囲を表します。
体型はA体型が標準で、Y体型はヒップが小さめ、AB体型はやや大きめ、B体型はさらに大きめです。身長は、P(約150cm)、R(約158cm)、T(約166cm)などで表されます。つまり「11AR」はバスト約86cm、標準的なヒップ、身長約158cmの体型を想定したサイズです。
サイズ表:号数とEU・USサイズのおおよその対応
海外の型紙を使う場合、号数との対応が気になるところです。以下はバストを基準にしたおおよその目安で、メーカーやブランドによって差があります。必ず型紙ごとのサイズ表で寸法を確認してください。
- 7号:バスト約80cm、EU 32〜34、US 2〜4
- 9号:バスト約83cm、EU 34〜36、US 4〜6
- 11号:バスト約86cm、EU 36〜38、US 6〜8
- 13号:バスト約89cm、EU 38〜40、US 8〜10(バスト88cmはEU 38、UK 12、US 8が目安)
- 15号:バスト約92cm、EU 40〜42、US 10〜12
- 17号:バスト約96cm、EU 42〜44、US 12〜14
プロのコツ
海外のサイズ表は身長168cm前後を基準にしていることが多く、日本の標準的な身長より高めです。号数が合っていても、着丈や袖丈が長くなることを想定しておきましょう。
採寸した寸法を型紙選びに生かすには
測った寸法は、型紙のサイズ表のヌード寸法と比べて選びます。トップスやワンピースはバストを、スカートやパンツはヒップを優先し、他の部位は補正で調整するのが一般的です。型紙に仕上がり寸法が書かれていれば、自分の寸法との差がゆとり量になります。
バスト、ウエスト、ヒップがそれぞれ別の号数に当てはまる場合は、補正の量が多くなります。そのようなときは、寸法を入力して作るオーダー型紙が便利です。Minervaでは注文時に主要な寸法を入力するか標準サイズを選ぶと、その寸法に合わせてCADが型紙を作ります。入力した数値どおりに作られるので、採寸は特に丁寧に行ってください。
パンツやジャケットのための追加採寸
パンツを作る場合は、基本の3サイズに加えて股上と股下も測っておきましょう。股上は、椅子に浅く腰かけた状態で、横からウエストのゴム紐から座面までの高さを測ります。股下は、股の付け根から床までを内側で測るか、手持ちのちょうど良い丈のパンツで確認します。太もも(わたり)の一番太い位置の寸法もあると、補正の判断に役立ちます。
ジャケットやコートでは、肩幅と袖丈に加えて、背幅と腕の付け根まわりが重要です。背幅は左右の腕の付け根の間を背中側で測ります。腕を前に動かしたときに背中が突っ張るかどうかは、この寸法と袖ぐりの形で決まります。上腕の一番太い位置の寸法も控えておくと、袖幅が足りるかを事前に判断できます。
プロのコツ
測った寸法は日付と一緒に一覧にしておき、作った服の着心地と照らし合わせてメモを残しましょう。自分にとって快適なゆとり量がわかると、次の型紙選びがぐっと楽になります。
採寸でよくある失敗と対策
採寸の誤差は、ほとんどが測り方の癖から生まれます。次のような失敗に心当たりがないか確認してみてください。
- メジャーを締めすぎる:数値が小さくなり、仕上がりがきつくなる
- 背中側でメジャーが下がる:バストやヒップが実際より大きくなる
- 厚手の服の上から測る:1〜3cm大きく出る
- ウエスト位置をおへそで測る:パンツやスカートの股上が合わなくなる
- ゆとりを足して記録する:型紙側のゆとりと重なり大きすぎる仕上がりになる
よくある質問
採寸はどのくらいの頻度でやり直すべきですか?
体重の増減があったときや、半年以上たったときは測り直すのがおすすめです。大切な服を作る前には、毎回確認すると安心です。
号数と既製服のサイズ表記は同じですか?
目安としては近いですが、既製服はブランドごとにゆとりや基準が異なります。型紙を選ぶときは、必ずヌード寸法で比べてください。
バストとヒップで号数が違う場合はどうすればいいですか?
トップスはバスト、ボトムスはヒップで号数を選び、間をつなぐ補正をします。差が大きい場合は寸法から作る型紙を検討してください。
メンズの採寸も同じ方法ですか?
基本は同じですが、バストの代わりに胸囲を脇の下の位置で測り、首まわりや股下も重要になります。スーツやシャツでは首まわりと袖丈が特に大切です。
採寸した数値は小数点まで入力すべきですか?
0.5cm単位で十分です。それより細かい差はメジャーの当て方や呼吸でも変わるため、2回測った平均を0.5cm単位に丸めて入力してください。
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