オーダー型紙とは、市販の7号・9号・11号といった号数やS・M・Lではなく、あなた自身の採寸値に合わせて製図された型紙のことです。洋裁を続けていると、肩は9号なのにバストは13号、ヒップはさらに上、というように「どの号数にもぴったり合わない」悩みにほぼ必ず行き当たります。既製の型紙を毎回補正するのは、経験者にとっても時間のかかる作業です。
この記事では、オーダー型紙と既製サイズの型紙の違い、自分で型紙を作る場合との比較、注文時に失敗しないための採寸ポイント、そしてダウンロードできるファイル形式の選び方まで、パタンナーの視点で具体的に解説します。
オーダー型紙と既製サイズの型紙の違い
既製サイズの型紙は、ある基準体型(日本ならJISのA体型、身長158cm前後など)をもとに、バスト・ウエスト・ヒップを一定の差でグレーディングして作られています。基準に近い体型なら問題ありませんが、実際の体は「バストだけ大きい」「ウエストとヒップの差が大きい」「背が高い」など、基準からずれているのが普通です。
オーダー型紙は、入力した寸法から各パーツの線をその都度計算し直します。袖ぐりの深さ、ダーツ量、着丈のバランスまで寸法に連動して変わるため、単純に横幅を広げた型紙とは仕上がりが違います。補正の手間が減るぶん、生地選びや縫製そのものに時間を使えるのが最大の利点です。
自分サイズの型紙が必要になるのはどんなとき?
自分サイズの型紙が特に役立つのは、次のようなケースです。どれか一つでも当てはまるなら、号数の型紙を補正するよりオーダー型紙のほうが早く、きれいに仕上がる可能性が高いでしょう。
- バスト・ウエスト・ヒップがそれぞれ別の号数に当てはまる
- 身長が150cm未満、または170cm以上で、着丈や袖丈を毎回直している
- ジャケットやコートなど、肩と袖ぐりの合い方が仕上がりを左右する服を作りたい
- 同じデザインを家族や顧客など複数のサイズで作る必要がある
- 小ロットで販売用の服を作り、サイズごとの型紙を正確にそろえたい
型紙の作り方:原型から製図する場合の手間
型紙の作り方として王道なのは、文化式などの原型を自分の寸法で製図し、そこからデザインに合わせて展開する方法です。原型を引くには胸囲・背丈・腕の長さが必要で、胸ぐせダーツや肩ダーツの処理、袖山の高さといかせ量の調整など、学ぶことが多くあります。
原型ができても、そこからワンピースやジャケットへ展開するには、ダーツ移動、切り開き、見返しや衿の製図といった工程が続きます。さらにトワルで仮縫いをして修正するのが一般的です。製図そのものを楽しみたい方には良い勉強になりますが、作りたい服がはっきり決まっているなら、サイズに合わせた型紙を注文して縫製に集中するのも合理的な選択です。
プロのコツ
原型を持っている方は、届いたオーダー型紙と自分の原型を重ねてみてください。肩先、バストポイント、ウエスト位置のずれを確認すると、自分の体の特徴がよくわかります。
サイズに合わせた型紙を注文するときの採寸ポイント
サイズに合わせた型紙は、入力した数値どおりに製図されます。つまり採寸の誤差がそのまま型紙の誤差になります。採寸は薄手の下着か体に沿う服の上から、メジャーを水平に当てて行いましょう。
Minervaでは注文時に少数の主要寸法を入力するか、標準サイズを選ぶだけで、CADがそのデザインを寸法に合わせてグレーディングします。注文どおりに正確に作られるため、送信前に数値をもう一度見直すことが大切です。
- 1.バストは最も高い位置を水平に一周。息を止めず自然な状態で測る
- 2.ウエストは最も細い位置に細いゴム紐を巻いて位置を決めてから測る
- 3.ヒップは最も張っている位置。横から鏡で見て水平を確認する
- 4.身長は靴を脱いで壁を背に測る
- 5.測った数値はゆとりを足さず、ヌード寸法のまま入力する
プロのコツ
ゆとりはデザインごとに型紙側で設定されています。自分でゆとりを足して入力すると二重になり、大きすぎる仕上がりになります。
型紙ダウンロードの形式の選び方
オーダー型紙はデータで届くのが一般的です。型紙ダウンロードの形式は作業環境に合わせて選びましょう。形式を後から変えたい場合は新しい注文になるため、最初の選択が重要です。
- PDF A4/レター:家庭用プリンターで印刷し、貼り合わせて使う
- PDF A0:キンコーズなどの大判出力サービスで一枚ずつ印刷する
- One Page:幅80cmの一枚の長い用紙。A0ロール(841mm)で出力でき、貼り合わせ不要
- プロジェクター用PDF:原寸1枚、太線とキャリブレーション枠つきで生地に直接投影
- DXF AAMA:CLO3DやBrowzwear、アパレルCADで使う形式
- PLT:カッティングプロッター用
届いた型紙を使う前に確認すること
どれほど正確なオーダー型紙でも、生地の厚みや伸び、好みのゆとりによって着心地は変わります。初めてのデザインや高価な生地を使う場合は、シーチングや手持ちの安い生地で一度トワルを組むことをおすすめします。
縫い代込みか縫い代なしかも確認しましょう。縫い代なしを選んだ場合は、脇や肩は1cm、裾は3〜4cm、ファスナー付けは1.5cmなど、縫い方に合わせて自分で付けます。各注文には縫製メモ(文章のみの手順)と用尺を記した冊子が付くので、裁断前に生地幅110cm・140cm・150cmのどれで何メートル必要かを確かめてください。
オーダー型紙が向いている人・向いていない人
オーダー型紙は、基本的な縫製ができ、ファスナー付けや衿付けなどの工程を自分で判断できる中級者以上に向いています。Minervaは型紙の供給に特化しており、動画レッスンやフィッティングサービスはありません。初めてミシンを使う方は、まず教室や入門書で基礎を身につけてから利用すると安心です。
反対に、仕立て屋さんやハンドメイド作家、小規模な縫製工房、3Dデザイナーにとっては、採寸から型紙までの工程を短縮できる実用的な道具になります。
よくある質問
オーダー型紙と補正済みの型紙は何が違いますか?
補正は既製の型紙の一部を切り開いたりたたんだりして直す作業です。オーダー型紙は寸法から全体を計算し直すため、袖ぐりやダーツなど周辺の線までバランスよく変わります。
採寸は自分一人でもできますか?
バスト・ウエスト・ヒップは一人でも測れますが、背丈や肩幅は誰かに手伝ってもらうほうが正確です。鏡を使ってメジャーが水平かを必ず確認してください。
無料で自分サイズの型紙をダウンロードできますか?
無料型紙の多くは号数展開の既製サイズで、寸法入力に対応したものはほとんどありません。自分サイズが必要な場合は、オーダー型紙を利用するか原型から製図するのが現実的です。
型紙はどのくらいで届きますか?
Minervaでは支払い後、通常数時間以内にメールでファイルが届きます。注文内容どおりに生成されるので、送信前に寸法と形式をよく確認してください。
作った服を販売してもいいですか?
個人利用・商用利用のどちらも可能です。ただし型紙ファイル自体を共有したり転売したりすることはできません。
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あなたのサイズで作るデジタル型紙
型紙はすべてご自身の採寸値から作成し、PDF(A4・A0・プロジェクター用)、DXF AAMA、PLTでお届けします。
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